東陸一《あずまりいち》

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吐き気のように何かがせりあがってきて、俺は自分の部屋に入ると、息を潜めてねーちゃんの部屋の気配を窺った。 ねーちゃんを笑わせているのは誰なんだろう? 笑い声が止まり、階段から、2人分の足音が聞こえてから、俺は足音を消して自分も階段へ向かった。 階段の上から、玄関を見下ろすと二人とも靴を履いていた。 ここからは2人の足元しか見えない。 ねーちゃんに来ていた客の制服のプリーツスカートを見て、思わず首を傾げた。 この町にある中学校は5つ。制服はすべて同じセーラー服だけど、スカーフとカラーのラインとスカートの裾から10センチに入っているライン。 この色でどの中学校の生徒が分かる。 俺の中学の指定色は青。ねーちゃんの客のスカートのラインは赤だった。 .
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