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けれど、父さんとしてはねーちゃんに独り暮らしをさせたくないみたいで、すぐに気を取り直した様子で、反論し始めた。
「園美、父さんが、春に車を買っても良いって言ったのは、この家から、通勤するからと言ったからだよ」
「だって、運転手に送らせて出勤する新人なんていないわ。社長である父さんに送って貰ったりしたら、店長が委縮しちゃうし」
「それも一理ある。が、独り暮らしは、必要ないだろう? ここからあの店舗まで、ゆっくり行っても、車で20分くらいなんだし」
「通勤が不便だから、職場の近くに住みたいって言ってるわけじゃないの。独り暮らしがしてみたいから、相談してるの」
「なんで独り暮らしがしてみたいんだ?」
「自立したいの。それに大学に進学していたら、独り暮らししてたはずでしょ? ちゃんと、自分の給料で生活するから。それなら問題ないでしょ」
「問題ないって、そんな。父さんは、園美にこの家にいて欲しいんだが……」
父さんは助けを求めるかのように、母さんの顔を見た。
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