東陸一《あずまりいち》

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「まあ、1年くらいなら、いいんじゃないかしら? 必ず家に帰ってくるなら、お母さんはしてみたいことは、してもいいと思うわ」 母さんの意見に、俺と父さんは顔を見合わせた。 ねーちゃんはどうやら先に母さんの説得に成功していたらしい。 こうなるともう、ねーちゃんの思い通りになる事は目に見えていて、俺はイライラした。 しばらく、父さんは気がかりなことを幾つか聞いて、結局たいした反論は出来なくなっていた。 「母さんがそう言うなら……」 父さんが最後にそう言って、ねーちゃんの勝利は確定した。 .
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