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どんな顔をしているのか自分ではまったくわからない。
「ねーちゃん、俺……」
「あ。もう、りーちゃん、私遅刻しそう。私、もう行く! 部屋決まったら引越し手伝ってね」
「うん……」
柔らかく、ねじ伏せられて、何も言えなくなった俺を、ねーちゃんは置いていった。
ねーちゃんが、仕事場の大型商業施設の近くにあるワンルームを借りるまでは、スピーディー過ぎてめまぐるしかった。
かなり前から目星をつけていたらしい新築のコーポは、うちの物件じゃなかった。
ねーちゃんには馴染みのないものばかりが、部屋の中に集められた。
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