東陸一《あずまりいち》

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鼻歌なんかも歌ってかもしれないな。インターフォン鳴らす前までは結構ご機嫌だった。 ねーちゃんは大好物を見たらきっと喜ぶから。 角部屋のインターフォンを鳴らして、思い切りカメラを覗きこんだ。 部屋の中に映し出される映像が目だけになるように力一杯覗くのが、おれがこの部屋に来た時の恒例だった。 「もーう。りーちゃん、やめてよ。怖すぎ」 そう言う声が聞こえるのを、カメラを覗いたまま待っていた。 .
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