東陸一《あずまりいち》

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お盆になっても、旅行だかなんだかに行って帰ってこなかった、ねーちゃんが実家に帰って来たのは、父さんと母さんに連れ戻されたからだ。 10月くらいだったと思う。 学校から帰ると、異様な空気だった。 玄関に投げ出されている靴で、両親とねーちゃんがいるのが確認できたがリビングには誰もいない。 俺は人の気配を頼りに床の間に向かうと、父さんと母さんの鋭い声がして、廊下で固まった。 .
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