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「ねーちゃん、ねーちゃん」
「りー……ちゃん……。これ、ぬいて……。くるし……」
パニックになっていた俺は、ねーちゃんの言いなりに、慌てて、脇差しを抜いた。
苦しいと言われたから。
慌ててしまった。
冷静だったら、あんなこと、しなかったかどうかと聞かれても、よくわからない。
あらん限りの力を込めて脇差しを抜いたら、ねーちゃんはそれから、もう喋らなくなってしまった。
「うわああああああああああー」
返り血をあびた俺は、両親が気付くまで、死んでしまったねーちゃんに縋り付いていた。
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