東陸一《あずまりいち》

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同好会の活動は、放課後、この町の歴史的背景のある建造物について調べたり、話あったりする。 そんなくだらない内容にも関わらず、メンバーがかなり濃かった。 南条先輩は、椿ヶ丘の厳しい条件をくぐりぬけた、10年ぶりの特待生だったし、 西山は、廊下を歩くだけで、そこにいる男子がみんなざわつく感じの美少女だったし、 それから、北山。女子は悲劇の王子とかなんとか言ってた。この町の人間なら誰でも知ってる猟奇殺人事件の被害者家族。北山には見えない壁みたいなのがあった。 その壁をやすやすと越える、渋谷。 どうして、こんなメンバーが集まったのか不思議ではあった。 てっきり渋谷と西山の、女子2人で始めた事かと思っていたけど、渋谷と西山の関係は、俺が想像する女子っぽい友情で結ばれてる感じではなく、同好会は渋谷が一人で始めた事らしかった。 .
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