東陸一《あずまりいち》
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メガネのチェーン……。 雨の酷い六月。 西中の生徒のスカートの赤いライン……。 あの時ねーちゃんの部屋に遊びに来ていたのは渋谷だったに違いない。 六月。あの頃くらいに戻れたら……。 ねーちゃんの独り暮らしを止めていたら……。 たった700万のために、ねーちゃんが、あそこまで追いつめられることもなかった。あんな壮絶で悲しい死にざまを自分で選ぶこともなかったはずだ。 .
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