東陸一《あずまりいち》
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「なんだよ?」 「何でもないわ。勝手にしなさい」 母さんは何か言いかけて、ねーちゃんの部屋をでた。俺は引き続き机の中を探ったけど、手掛かりになりそうな物は見つからなくて、今度はドレッサーの抽斗を開け始めた。 ふわっと、化粧品の匂いがして、涙が出そうになった。 丸いスツールに座って、ねーちゃんのお気に入りの真っ白なドレッサーを、隅から隅まで物色した。 .
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