東陸一《あずまりいち》

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父さんにとっての、ねーちゃんは、母さんは。ねーちゃんの母親はなんなんだろう。 「母さん、俺は、父さんに聞くよ」 「陸一、やめなさい」 「今じゃなくても、いつか、俺がちゃんとしたいから。こんなんじゃ、ねーちゃんが可哀想すぎる。ねーちゃんに何があったのかも、俺は知りたい」 母さんから、戸籍謄本を引ったくって、俺は家を出て、ロードバイクに乗った。 ねーちゃんのスマホが復活するかもしれない。少なめの可能性に賭けた。 .
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