彼女の眠る日々

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俺は、甘く考えていた。目を覚ました彼女は、体の動かし方や表情の作り方そして声の出し方すら分からない状況だった。人間としてもって生まれた生物としての記憶までも失っているようだったでも目だけは、反応していた。医者がいうには、彼女が目で俺や彼女の両親を知らない人のように見ていたことと体は、動かないが神経が駄目になった訳でもない。だから医者は、彼女を記憶喪失と診断したと言っていた。俺は、彼女に毎日会いに来る。あの事故から3ヶ月がたった。彼女の目から俺に対する警戒心がいつの間にか消えていた。でも彼女は、目でしか反応しない。もう事故から3ヶ月がたったというのに体や脳には、異常は、ないというのに彼女は、少しも変わらない。ただ俺を見てるだけだ。それでも俺は、この時は、まだ幸せだった。
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