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「そんなことを一々気にしていたら、結婚してから困るわよ」
確かに姉夫婦を見ていれば納得できる。2人の時間は少なく、仕事中心の義兄と上手くやっているのだ。連絡がないことくらいで文句を言うこともなく、余程のことがない限り喧嘩をしたと聞かされたことはない。
寂しさを疑いに変えて彼にぶつけても、いいことはないだろう。彼だって私を想っていると言ってくれていたし、信じる者は救われるはずだ。
お土産に洒落たボクサーパンツとお酒、好きそうなキャンドルを買って日本に先に送っておいた。
帰国して再会する時を楽しみにしよう。彼は喜んでくれるだろうか。またこの前の夜のように、情熱的に抱きしめてほしい。アルコールが回ってまどろんでいく視界に彼を思い浮かべながら、最終日の夜は過ぎていった。
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