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「あいたた……」
考え込んでるうちに
だんだん体勢が悪くなってる
自分に気付いて。
座り直して姿勢を正した瞬間、
下腹部と腰に鈍痛が走り、
また背中を丸めた。
……拓海さんのバカ。
こういうところ、全然変わってない。
女の扱いは本当に
プロ級になっていた拓海さんだけど、
この悪癖だけはどうも
治す気はないらしい。
昔、爪痕の残らない
セックスなんてつまらないと
判ったようなことを言っていた彼は、
あたしにこうして
後遺症を残す癖があった。
特別に痛めつけるわけじゃない。
何をどうしているのか、
ただ、
まる1日は引きずってしまいそうな
存在感を残す。
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