1722人が本棚に入れています
本棚に追加
「お待たせしました、櫻井です」
『あっ、志緒ちゃーん。
俺、俺』
……この軽い口調、
久しぶりだ。
『えっとねー。
先日の案件、いくつか上げたよ』
「本当ですか、助かります」
『直接渡すから、
今日の昼メシ一緒にどうですかー?』
言われて、ハッとフロアの時計を
見上げるともう正午近かった。
電話を繋いでくれた先輩は、
もうデスクにお弁当箱を出して
ソワソワしている。
「判りました、行きます」
電話の向こうの彼は、
いつものように時間と場所を
指定してくれた。
.
最初のコメントを投稿しよう!