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トレイの上で軽く
丼を抱えていた木島さんは、
ポカンとした。
そして彼は丼を軽く取り落とす。
「あ」
まだ中身が入っている丼は、
滑っただけでトレイの上に
ガチャンと鎮座した。
「あはは、やば。
ひっくり返すとこだった。
ごめん、大きな音立てて」
「……いえ」
「いや、まあ、でもびっくりした。
志緒ちゃんがそんな
女っぽい顔したの初めて見た」
「……木島さんが
言えって言うから……顔で」
「何、俺どこで喋ってんの」
ハハッと笑って、
木島さんもいったんお箸を置く。
「昔、付き合ってた人なんです。
この前、ばったり再会しちゃって」
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