自己満足は嫌い

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  「ははあ、焼け木杭に火が点いたのか。 ……時間を置くと、 慣れた相手はどうしても惹かれるよな」 木島さんの方こそ、 “課長”をどこかに 置いて来たみたいだ。 普通の男の人の声で、 ドキリとする。 「で、勝手って。 どうしたんだよ。 志緒ちゃん、ソデにされてんの?」 「……よく判らなくて」 「あん? なんだそりゃ」  言ってしまったが運の尽きか。 ぽそぽそと、 ここのところの悩みを かいつまんで口にしていた。 話しながら、自分が相当 いっぱいいっぱいだったことに気付く。 .
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