第2章

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どこから間違えたのだろう。 考えても無駄なことだ…最初から間違えていたのだから… 数時間のことだ。 皆が寝静まった頃に、俺と兄貴は組織から抜け出そうと逃走した。 奴らにとって俺らは兵器だ。 その兵器が暴れ出せば止められない。そう踏んでいた。浅はかな考えであった… 兵器が暴れだす? 奴らにとってそんなこと想定内だろ… 自分たちの飼い犬が暴れればそれを征する力を奴らは持っている。 それじゃ、何故俺は生きている? 簡単なことだ……兄貴が助けてくれたんだ。 兄貴が独り奴らに立ち向かって俺だけを逃した… 俺は逃げてしまった。 こんな俺を弟として接してくれて守ってくれた兄貴の手を俺は離してしまった。 俺を救ってくれた手を…俺は自ら… 俺は…最低だ… どうすれば…いい? あぁ、簡単なことじゃないか… 奪われたのなら奪い返せばいいんじゃないか。
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