第2章

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兄貴の場所へとたどり着いた時にはすでに血まみれとなっていた。 実験室の前に白衣で狐の面をつけているやつが立っている。 よく見ればその狐は俺と同じオッドアイをしていて気色悪い。 「君が弟くんだね?」 疑問形だが確実に俺を兄貴の弟として尋ねている。そんな分かりきったことに返事はせず武器であるかぎ爪を構えるが狐面の男は動じないまま佇んでいる。 「兄さんはこの中にいる。君を助けたことによって研究者に脳の指令を弄られ殺戮兵器となっている。」 「…殺戮兵器…兄貴、が?」 「君がどうしたいか、それを問うことはしない。ただ、この中に入り兄さんを助けたいのならガスマスクつけてけ。この中は毒ガスが充満している。」 「なんで…」 なんでそんな事を俺にわざわざ伝えるのだろうか? そう疑問には思ったがそもそもそんな理由なんか必要ない。今はただ、兄貴を助け出すことが重要なんだ。目的を変えてはならない。 ガスマスクを奪うように掴み取り視線で退くように云うと、狐面の男は静かにその場を立ち退いた。
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