第1章

2/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
靴箱に入っているはずの上履きがない。 教室に入っても机も椅子もなくて。 教科書は体操着はごみ箱の中。 それを見て笑う生徒たち。 非日常な光景に誰もが気付いているはずなのに、止めようとしない。 自分が標的になるのが怖くて、だけど少しの罪悪感を感じ日常を過ごしている。 本来、楽しい場所であるはずの学校はもはや『地獄』に成り果てた。 この地獄を救える人間なんて、きっといないのだろう。 そう気づいてからの私は何も感じなくなった。 漫画のように、先生が助けてくれるわけでもなく親友が慰めてくれるわけでもな い。ましてや親に相談など出来るはずもなかった。 味方などいないと知った時、深い海に沈んでいくような感覚だった。 誰かが助けてくれるかもしれないという期待の光は 雲によって遮られ消えてしまった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加