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裏門が見えてきた所で走るのを止め、ゆっくりと近づいていく。
警備員は居ないだろうか。
ばれたら一貫の終わり。
家に連絡されて、母にこっぴどく怒られるだろう。
壁に張り付きながら、向こう側から見えるか見えないか程度に顔を出す。
よし、警備員の姿はないみたいだ。
入れないという心配はない。
何故なら、一階の一番右端にある窓は数週間前から壊れているのだ。
鍵は閉まるのだが、力強く揺らすと鍵が外れるようになっている。
俺は急いで校門をよじ登り、小走りで校舎の一階の右端へと向かう。
その窓まであと数十メートルの所で俺は足を止めた。
ピアノの音が聞こえる。
「誰か居るのか……?」
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