181人が本棚に入れています
本棚に追加
ねぇ、直人…と僕は呼びかける。
ん?と視線だけで直人は僕を見る。
「真面目な話…直人はどうしたい?僕等は、直人と一緒にいたい。
だけど
直人はそれでいいの?僕等といれば今日みたいな事は起こるよ。彼方は本気だよ。」
直人は黙って目を伏せる。
「それと、もう一つ…直人は僕に愛されたい?愛したい?
僕は…あなたを愛したいし愛されたい…直人…教えて?」
伏せられていた瞳が僕を見つめる。
強い…瞳…。
「正直…よくわかんねー。
でも、
お前らが俺を必要だって気持ちはわかる…。」
それじゃダメか?
って直人が笑う。
ズクリ……。
僕の体が直人の笑顔に呼応する。
僕の体と本能は…
アイシムサボリタイ…
と騒ぎ出す。
だけどね、僕の口は嘘つきだから…本当のことは口にしない。
紡ぐのは…偽り…
隠すのは真意…
「直人…僕等と共にあるってことは、さっきみたいな事は合意って事だよ?」
直人は…少し止まって…小さく頷いた。
そして僕は…嘘をつく…。
「なら、僕を愛して…。」
最初のコメントを投稿しよう!