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自分の手を…指を…
教え込まれた快楽中枢へと辿っていく。
まだ、熱を帯びて腫れているそこへ指を這わす
「はっんっ…あっあっ……ふぅっ………んんっ。」
心虚しいと訴えているのに…
身体は快感を覚えている…
この手が…指が…誰のものだったらいいのだろう。
誰のものだと思いながら…こんな行為をしているのだろう。
「はぁ…ック……………。」
ザーザーザー……
手のひらの白濁をシャワーで流す。
涙がこぼれ落ちたのは…どうしてなんだろう。
わからない…わかりたくない…。
そうして、風呂に浸かりながら…
水面に広がる円を眺めていた。
風呂から上がると、久遠がトカゲもどきを抱いてソファーにすわっていた。
「お帰り、直人。綺麗になったね。」
そう言って俺に自分の前に座れという。
断る理由もなかったから素直に従うと、久遠はトカゲもどきをソファーにおいて、俺の頭を拭き始めた。
トカゲもどきは何を思ったか俺の膝に乗ってきた。
「ひっ…。」
思わず声が出た俺に、久遠はクスクス笑って
「そんなに、怖がらないでよ。彼女はベジタリアンだから、直人を食べたりしないよ。」
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