魔法使いと魔王

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朝。 ピピッ ピピッ ピピッ。 目覚まし時計が起きろと何回も言い喚いている。挙句の果てには、目覚まし時計と一緒に起きろと喚いている奴がいる。 「お兄ちゃん起きなよ。」 「もうちょっと寝かしてくれ。」 「それは無理だよ。遅刻しちゃうよ」 うん?ちょっと待て遅刻する? そして聖琥は時計を見た。 おいおい、あと5分じゃないかと思い慌てて起きるそれと同時に妹が床へ振り落とされる。 やばい!転校初日に遅刻はまずい そう言って聖琥は猛スピードで着替えて行ってしまった。 「ふぇ お兄ちゃん朝ごはんは?」 「いらない」 「私がせっかく作ったのに」と頬膨らませて怒っている。 「お兄ちゃんお先に」と妹が先に行く。 と言うより、魔力を使い学校めがけて飛んでゆく。 おい。せこいぞ。など思いながらも自分は魔力を使わず自力で歩く。 さすが魔剣科筆頭様だな。 「はぁ。やっと着いた」とちょっと疲れ気味でいると妹がこちらへやってくる。 「お疲れ。私、今から魔剣科の方へ顔出さないといけないからお兄ちゃんじゃね」と言って魔剣科のある方へ走ってゆく。 俺はわかったと言って手を振る。 そして、俺は神奈は神奈で忙しいんだなと思いながら始めて来たばかりの学園を散策した。 ちなみに神奈と言うのは、俺の妹の名前だ。 しかし、広いな。よくみんな道に迷わないな。 バッタン。と何かが落ちる音がする。 なんだと振り向くとそこにはひとりの美少女がいる。 その女子は聖琥の顔をガン見しながら何かを言おうとしている。 「も、もしかして聖琥なのか」と俺を指差して言う。 誰だ。あんな美少女の友達いたかな。 「はい。聖琥ですけど、貴方は誰ですか」と言うとその美少女はため息をつきながらこう言う。 「まぁ忘れるのも無理はない。私だ。柊舞香だ」 柊家に知り合いなんていや、待てよ舞香、舞香。あぁー柊舞香。 思い出してきたぞ。小さい頃、一緒に剣の修行したあの子だ。 「舞香。思い出したよ。しかし随分成長したな。まさか魔法使いの学園にいるとは思わなかった。」 「まぁ。私は魔剣科2年だからな。そんなことより、聖琥は普通の学校に行ったんじゃなかったのか。」 「まぁそうなんだけどな…。いろいろあんだよ。」と俺は言葉を濁した。 「そうなんだ。聖琥も大変だね。」
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