昔話

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エレグスの撃った光弾の正体は海と、あらゆる「水」を1つの大きな固まりにさせ、空高く舞い上げるものだったの。ラーナッツ星75%を占めていた海。そして海に流れていた川、水すべてが巨大なシャボン玉の様にフワフワと浮いた。それは足で行ける、手が届く距離では無く遥か遥か空の上。雲も空に浮かぶ海に引き寄せられる様に集まり、海の周りを覆った。それ以来、水分を失った草や木は枯れ、大地は岩山が露出し、砂と土だけが残った。太陽だけが照りつける灼熱地獄へとその風景は変わっていったの…。私達の先祖のペリオン族達は太古の書物から、水が涌き出している洞窟を探し出し、そこに新たな生活基盤を作った。現在、その洞窟に暮らし始めて100星年。洞窟自体も穴を掘ることで大きくなり、普通に生活できるぐらいまでになってきた。そしてペリオン族は、男の遺言通り100星年前に1人の男の命によって今、私達が生きていられているという事を後世に伝えるべく「像」を作った。」…カーン、カーン。現実に戻すかのような高い金属音がタイミングよく(?)洞窟内に響き渡った。「はい、今日の授業は終わり!帰る前にいつもの様に広場にある像を御参りして帰るのよ~。」その言葉をいつも聞かされているのか、だらけた感じで「は~い」と、覇気のない声を上げ、皆が皆一様に返した。
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