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「それわかった上でっ、それでもあのやり方がムカつくって言ってんの!あんな自己犠牲的なやり方、別にありがたくもなんともないっての」
「……はひはひ(確かに)」
次のフルーツの段へとスプーンを進めて苺を頬張りながら、全く持ってご尤もな意見に深く頷いてしまった。
まぁ正直、わたしは性格が良いわけでも、佐野さんに深い思い入れがあるわけでもないので。
あのタイミングでの気遣い方には少し苛立ってしまったのは、事実。
しかも佐野さんはわたしと先輩が毎日放課後、屋上で会話をしてるのを知っているはずだった。
だとしたら、先輩と付き合った次の日にわたしが泣いていたら、状況くらい察してくれてもいい……と思う。
でもそれは同時に、わたしのどうしようもないわがままであり、佐野さんは純粋に気遣ってくれたはずなのだ。
それをうがった捉え方をするわたしの性格が歪んでいると思うけど、
「でもま、あの女は好きじゃないけど」
……歪んでいる性格の持ち主は、わたしだけじゃないらしい。
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