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つまりつまりつまり、それってまとめると
『今のところ自分は佐野優実と健全な男女交際をしているが、これから先何かきっかけとなるものがあればその交際が不純な関係に変わることもやぶさかではない』
という事。
「……佐野さんですか」
「……佐野さんですね」
あの佐野優実と、先輩が不純なカンケイになるなんて、想像できない。
……よりにもよって、あの佐野優実と。
「……これで先輩も、リア充ッスね」
「リア充……ねぇ」
相変わらず興味ないって感じに欠伸をする先輩を見て、胸がぎゅうってなった。
握りつぶされるんじゃないかってくらいに、心臓が痛くて、呼吸困難になる。
おい働け、わたしの心臓。
空気を通せ、わたしの気管支。
……わたしの体なんだから、思い通りに動きやがれ。
「初恋じゃないですか?先輩」
「……初恋では、ないけど」
これ以上先輩を見ていたら、わたしの体がバラバラにちぎれそうだったから、手元にあるフルーツオレのパックに目線を移して、気付いた。
「……うわっ」
いつの間にか、自分でも知らない内にパックを握り締めていたらしく、ストローからフルーツオレが飛び出しそうになっていた。
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