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よろよろと両腕の力が抜けて、また元の体育座りに戻って呆然とする。
「うぅ……」
獣のような唸り声をあげて、両膝の間に顔をうずめた。
苦しい、苦しい……苦し、すぎる。
殺す気かってくらいに胸を突く痛みに、熱い息が漏れた。
「せんぱいぃぃー」
無意味に呼んでみるけど、当然返事は返ってこない。
屋上には、フルーツオレを零した惨めな女が一人だけ。
「待ってって言ったのに……」
息を吐いても吐いても、まだ吐き足りない気がした。
息にこもっていた熱が、目頭にまで侵食してくる。
自分の心臓が、粉々にちぎられていくような気がした。
「待ってって、言ったのにぃぃー!」
断末魔の叫び声を上げて、大粒の涙を流しながら。
その日わたしは、確かに死んだ。
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