死んだ。

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「これっ…て、やばい、よね」 軽く十八禁とかになりそうな光景(エロい意味じゃない)が目の前に広がる中、私は意識を手放した。 * * * 形容し難い色をみて自分は瞼を閉じていると認識する。 二度寝をする気になれなかったので目を開けたら、そこはどこかの部屋だった。 頭痛を感じながら辺りを見回す。 一番目に付くのは、というか視界いっぱいに広がるのは棚だ。 棚にはファイルが沢山詰まっていていくつあるのだろうか、100個位ありそうだ。 「…どこここ。というかなんで寝てたんだっけ?えっと、確か…」 今日はテスト最終日だから午前中で終わってウキウキしながら友達と帰っていた。 そのあと信号で横を女の子が急いで走り抜けて行って、もうその頃には赤信号になってて、友達が危ない!っていってどっかのヒーローみたいに女の子を助けに行って。 あの友達は一見熱血のようにも見える癖して、どちらかというと女の子が轢かれそうなのをみてもご愁傷様で済ませるような少々冷たいところのある奴なのに。 それで友達が真っ赤になってトラックに轢かれていて、私はそれを見ながら何故か胸が苦しくなって、倒れた…のだろう。 だってそれ以降の記憶がないのだから。 それより、友達が真っ赤になって…ぐちゃぐちゃになっていた。 トラックに、轢かれたから。 普通、トラックに轢かれてあんなにぐちゃぐちゃになっていたら死んでいるだろう。 じゃあ、じゃあ、友達は……死んだというのか。 頭の中でよくわからない感情が暴れ出す。 胸からせり上がる喉を焦がすような衝動。 ぐい、と唇を噛んだ。 その時バタンと音を立てて、扉が開いた。 部屋に誰かが入ってくる。 泣いてる場合じゃない。 友達が助かっている可能性だってあるかもしれないから。 だから、今は状況を把握することを最優先としなければ。 そう決意し、顔を上げるとこちらを見つめる若い男がいた。 「えっと、こんにちは?」 首を傾げつつその男は言った。 なんだか友好的だ。
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