第1章

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一度涙を流すと、今まで我慢してきたことも全て涙と一緒に出てきた気がした。 この恋はいつ終わるんだろう。 結局彼はあたしが泣き止むまで待っていてくれた。 あたしが泣き止んだのを確認すると、彼はすぐ店を出ようと立ち上がった。 「待って。」 あたしは彼の腕を掴み、彼は仕方なく椅子に座った。 ああ、やっぱり。 咲哉と同じ、ジンライム。 「彼にジンライム。」 あたしは空いたグラスを見てマスターに注文した。 「よくわかったね。」 感心する彼に、 「彼と一緒なの。」 って隠しもせずに彼に言うあたし。 すると彼が一瞬固まったのをあたしは見逃さなかった。 ……考えてることが何となく顔に出るところが、やっぱり若い。 その後、彼はあたしに年齢を聞いてきた。 不意に言われた『綾さん』ってフレーズに、 「あたしはいいけど、女性に年齢は聞かない方がいいわよ。」 なんて上から目線で言ったけど、内心少し胸が高鳴った。 「綾ちゃん、瑛二は綾ちゃんより経験あると思うよ?」 「えぇ!?」 マスターの話に驚く。 だって彼は……瑛二くんは、あたしより6コも年下なのに。
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