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一度涙を流すと、今まで我慢してきたことも全て涙と一緒に出てきた気がした。
この恋はいつ終わるんだろう。
結局彼はあたしが泣き止むまで待っていてくれた。
あたしが泣き止んだのを確認すると、彼はすぐ店を出ようと立ち上がった。
「待って。」
あたしは彼の腕を掴み、彼は仕方なく椅子に座った。
ああ、やっぱり。
咲哉と同じ、ジンライム。
「彼にジンライム。」
あたしは空いたグラスを見てマスターに注文した。
「よくわかったね。」
感心する彼に、
「彼と一緒なの。」
って隠しもせずに彼に言うあたし。
すると彼が一瞬固まったのをあたしは見逃さなかった。
……考えてることが何となく顔に出るところが、やっぱり若い。
その後、彼はあたしに年齢を聞いてきた。
不意に言われた『綾さん』ってフレーズに、
「あたしはいいけど、女性に年齢は聞かない方がいいわよ。」
なんて上から目線で言ったけど、内心少し胸が高鳴った。
「綾ちゃん、瑛二は綾ちゃんより経験あると思うよ?」
「えぇ!?」
マスターの話に驚く。
だって彼は……瑛二くんは、あたしより6コも年下なのに。
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