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夜。
ほぼ盛り上げ役に徹した合コン。
あたしは二次会も誘われたけど行かず、マスターのお店に向かった。
別に合コンが楽しくなかったわけじゃない。
ただ、もう一度瑛二くんに会いたいと思った。
偶然会えれば、連絡先教えてくれるって言ってたし。
カラン。
「いらっしゃい。」
マスターがあたしに微笑んだ。
カウンターを見ると、お客さんは一組だけ。
その一組と、席を3つ空けて椅子に座った。
「マルガリータ頂戴。」
「了解。」
手際よくカクテルを作るマスター。
それをぼーっと見つめるあたし。
「…珍しいね、綾ちゃんが昨日の今日でここに来るなんて。」
ドキリ。
「んー…まぁ…。」
もしかしたら、瑛二くんがここに…なんて言えない。
でも言葉を濁すと、尚更怪しいのに。
「はい、お待たせ。」
何事もなくマスターはコースターにカクテルを置いた。
「ありがと。」
一口飲んで、今日の疲れを癒す。
咲哉のことを考えないようにと合コンまで言ったのに。
ただ、疲れただけ。
意地を張るだけ無駄なのかも。
わかってるのに。
素直になれない。
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