第1章

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………そして。 「…ん………。」 ラウンジから出て、ホテルのエレベーターの中で、咲哉が唇を重ねてきた。 求められる……。 そういうことがご無沙汰だったあたしにとって、そのキスは刺激的だった。 酔った勢いで、咲哉とホテルの一室に入った。 シャワーを浴びながら、少し冷静になる自分。 彼氏がいないあたし。 同級生とはいえ、咲哉は既婚者。 体だけでも、やっぱりやめたほうがいい。 シャワールームから出て、先にシャワーを浴び終わってベッドに横たわる咲哉の横に、ベッドから脚を下ろした状態で座るあたし。 あたしはため息をついた。 「…ねぇ、やっぱりやめない?」 「んー?なんで?」 咲哉はあたしの腰に腕を回した。 …ドキ………。 「岡田くん結婚してるし、やっぱりこーゆーのは……。」 しどろもどろ話すあたしを気にもしないで、咲哉は起き上がって、あたしの背後からバスローブの胸元に手を入れた。 「……っ。」 ビクッと反応するあたしに、 「可愛いね綾ちゃんは。 スレてなくてさ……。」 咲哉はあたしの耳元で囁いて、耳を甘噛みした。 「…や……。」 言葉とは裏腹に、あたしは咲哉に唇を奪われ、押し倒された。
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