第0話 タイヨウのうた

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「ごめんてば~、その…急患が来て帰れなくてさ」  時刻は16時半、3時間ばかし遅刻して代車を返しに修理屋さんに来ていた。 「急患は男だな…首筋にキスマークがあるぞ」 「ほぇっ、マジ!?」 「ウソだよバカ」  慌てて首筋を抑えた僕を見てケンゾウは大笑いする。ケンゾウは高校の先輩で格安で車のメンテナンスをしてくれる。 「もぉ10万キロこえてるし車の中でイチャイチャは控えた方がいいかな」 「し…しないよ!!」 「そうか?お前の車いっつもスプリングが弱ってるし上下の震動が多いのかと。」 「気のせいだよ、坂道が多いのかな…うん」  学生時代はガタイがいいだけのでくのぼうだったのに今では車のエキスパートになっているみたいです、上下運動気を付けなきゃですね。
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