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「佐々木くん、俺と付き合って、ください。」
「....は?」
男からいきなりの告白。そりゃぁこんな反応になるだろう。
「や、俺男だけど。」
「わ、わかってる、よ?」
「なら、お前、ゲイ?」
俺がそう聞くと、鈴村はギクッとして俯いた。
そうか、聞いたことがある。ゲイとか言われてるやつは偏見に苦しむらしい。こいつも傷ついたことがあんのかな。
「あー、別に偏見はないから。」
そう言うと、鈴村はチラっと俺を見て、ホッとしたように笑った。
その瞬間、俺は今までに感じたことのない感情に包まれた。癒されるというか、こう、心が暖かくなった。そして、その笑顔がもっと見たいと思った。
「あのさ、なんで俺なの?」
「...っ、あの、俺、園芸部で、花壇の手入れ、してるんだけど、前、花がめちゃくちゃにされて、」
それなら知ってる。校庭の側の花壇だ。こいつが手入れしてたのか。あの花壇は季節に合わせた美しい花がいつもあって、俺は時々その花を見ながら昼寝したりしていたんだ。
なのに、いつだったかあの花壇がめちゃくちゃにされていた。なぜか俺はすっげぇムカついて、めちゃくちゃにしたやつをボッコボコにしたんだった。
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