第2章

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結果的に言うと、俺は4つ目のカドにして、やっと人とぶつかることができた。 いや、「やっとぶつかる」ってなんかへんやねんけど。 しかし問題なのは思っていたより出てしまったスピードで、 曲がり角でちょっとは減速したとはいえ、身長175㎝の男子高校生がそれなりのスピードでぶつかって来たら、相手の女の子はきっと尻餅どころの騒ぎやなくなる。 でも走り出した人間はそう急には止まれんもんで、 しかも人とぶつかる可能性なんて、もうほとんど考慮してへんかったから、俺はほんまになんも考えんと走ってしもてた。 4つ目の曲がり角、 進行方向の道を認識する前に黒い影が目にはいる。 「やばっ!!」 そう声を発した瞬間にはもう、相手と俺の体は接触していて、 相手が女の子やったら、転校初日から大変なことになっていたと思う。 あくまで、"女の子やったら"やけどな。
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