プロローグ

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「きゃ~ん☆遅刻遅刻ぅ~☆ はぁいはじめまして!あたしカオル!銀の髪に黒い瞳、銀色の猫尻尾がキュートでチャームな謎の美少女☆……とは仮の姿で、本当はこの街に蔓延る薄汚い豚共を跪かせて浄化するミラクル☆エンジェルなのだ!とはいえそんなパーフェクトなあたしでも時にはちょっぴりお茶目なドジもしちゃうわけで……あーんもうよりによって始業式の日にお寝坊!そんなわけで今あたしは朝ごはんのできたて☆ベーコンエッグ片手に学校までの道を猛ダッシュの最中なのです☆タイムリミットは後3分。そんなあたしが慌てて曲がり角を曲がったその時、反対側から来たちょっと冴えない男の子とぶつかっちゃって……? ……なーんて展開が始まるとでも思ったかボケェい!!wwwwww」 「あっづあああ!?」 明らかに建物内である廊下。そこをとある目的にて歩いていた男が、突如顔面にフライパンを叩きつけられた。美味しそうなベーコンエッグの乗ったそれは未だじゅーじゅーと朝の食卓の音を立てており、当然の如く凄まじい熱さである。ベーコンエッグの反対側で人間の頬肉のソテーでも作る気か、と言わんばかりの所業をなされ床をのたうちまわる男を余所に、元凶である銀髪の青年がくるりと『こちら』を振り返った。 「はじめましての人ははじめますてwお久しぶりの人はこんぬつわww魔王で銀髪黒目の方、お茶目な草キャラ主人公オルカどぅえすwwミラクル☆エンジェル(笑)カオルなんざ始まらねーよこちとら通称『まおやめ』じゃ根っからのギャグカテじゃwww騙された!って方は回れ右してねwww始終このノリだからwwwwそれでも構わんって猛者のみお進みくださいwwwそんじゃメタ発言上等魔王系小説『俺ら、魔王やめてもいいですか?』、始まるのぜwwっふぅーwwwww」 誰に向けたかそんな滅茶苦茶な言葉をべらべらと、それも人をイラつかせる為としか思えない笑い声を立てながら彼、オルカはビシィ!と『こちら』を指差すのであった。 そして、この物語は幕を開ける――。
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