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再びケラケラと笑いながら声をかける弟に少しは落ち着いたのか、弱々しくもツッコミを入れるノエル。そして彼は差し出された手を取り立ち上がると、オルカの肩越しに少しだけ勇者の男へと向いた。
「……確かに僕、ノエルも魔王だけど、この僕の弟、オルカも魔王だよ。僕らは二人とも魔王なんだ」
「そんな魔王の言葉、信じろと?」
「お前先駆者の言葉聞いてこなかったタイプだぬ?wったく、RPGじゃ人の話しっかり聞くのは基本だろってのwwいいか?今回は特別に魔王直々に話してやるからよく聞けよww俺らは二人で一つの魔王w片方が死ねばもう片方も道連れwwそしてノエルはとんでもねー臆病で戦えやしねーから、大体勇者のお相手は俺の担当なのwww」
「……そんな成りでか?」
「服はワケありだって言ってんだろwww」
ふわ、とスカートが揺れる。やはり何度見ても彼の服装はメイド服である。
「っつーわけでここでノエルを狙ってもどうせ俺が全力で邪魔するんだし、最初から素直に俺のお相手してくんない?wおアツい一時を過ごさせてやるおww」
それを聞き、勇者の男は少し考える。
「……考えるんだ」
「俺の見立て通りそっちだったかwww」
「いや違ぇよ!?考えてるのはそっちじゃねーよ!!」
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