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「お待たせ、だーりん☆……なんつってwww」
魔王の間、と呼ばれる部屋。魔王城の三階に位置し、他の部屋よりもやや広めになっているその場所は、こうして勇者のためだけに使用される部屋である。
「誰がだーりんだ。しかも遅ぇし……」
「めんごめんご☆着替えにちっと手間取ったもんでwww」
そこで勇者である男が待たされること数分。魔王の間の奥より現れた彼は先程までのメイド服姿ではなかった。漆黒のテール・コートを靡かせ、手には白手袋。首元に結ばれた紅色のリボンがモノクロの服にアクセントとなっているその姿は
「……今度はメイドじゃなく執事か」
「あれ地味に動きづらくてぬwww」
ステレオタイプの執事そのものであった。ケラケラと笑うところなどは相変わらずでおよそ執事らしくはないのだが妙にしっかりと着こなしている。
「さて……んじゃま、ぱーりぃの準備はよろしいか?w」
「ああ。……勇者に戦闘準備させるたぁ、余裕の表れか、それともただの馬鹿か……この勇者スペリオールが見極めてやるよ!」
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