#1 Teenage daydream

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今日はバイトを休んだ。だって、誕生日の日にまでバイトなんてやってられないもの。 どうしても短大卒業後に就職できる気がしないから、進路の事なんか全然考えてなかったし、バイトに明け暮れる生活を送っていた。 就職なんてしたら、会社の奴隷にならなきゃいけないんでしょ。自分のやりたいことなんてできやしないよね。そのまま一生を終えるなんて、ごめんだな。 というか、たぶん私は、普通になれない。OLとして働いて、良い相手と出会って結婚して出産して、専業主婦やって、落ち着いたら外で働き出して…女性なら誰もが夢見る平凡で理想的な人生を、私は夢見ることが、できない。そんな人生、きっと死んでしまう。 先日、就職はどこにするのかと父が私に尋ねてきた時に、私は正社員として就職するつもりがないと話したら、両親は過去最高に激怒した。 「挑戦してみたいことがあるんだけど、正社員では出来ないと思う。自由に休めないと思うし迷惑かけるようなこともしたくないし、途中で辞める可能性があるくらいなら、バイトで頑張ってみようと思……」 最後まで言い切らないうちに、ひゅ、と音が耳元をかすめた瞬間、衝撃と共に頬から鼻先の辺りにじぃんと痺れが広がった。正面を向いていた自分の顔が横を向き、鼻血が垂れてきたあたりで父親に殴られたのを自覚した。 「てっきり就職するものと思って、お前が短大に行くことを許したんだぞ!何がバイトだ! ” 挑戦してみたいことがある ” だと?何をやるっていうんだ、言ってみろ!」 いつもこういう時、問いに答えたら、言葉にして口にしてしまえば、夢が叶わなくなるような気がした。私の小さな世界に存在しているちっぽけな夢、妄想に過ぎないことを自覚させられるからかもしれない。
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