#1 Teenage daydream

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「あたし、カンパイ……」 どうしたら大人になれるんだろう。大人になりたいと思ってないけど、周囲と比べて自分がすごく子供じみて感じる時がある。誕生日だっていうのに、気分は底なし沼に沈むように堕ちていく。 予約曲を入れるでもなく、ジントニックを飲みながらモニター画面に流れるアーティスト特集をぼんやり眺める。 国民的人気という嘘かホントか分からないアイドルグループ。 日本人なのか外国人なのか分からないグループ。 当たり障りのない日常のジレンマを歌う自称ロックバンド。 どれもこれも、クソつまんない。 元が美人でも可愛くもない女の子たちが、可愛い(らしい)アイドルの象徴的な困り顔のメイクに作り替えられているけど、数十人束にされたところで新手のキャバクラの集合写真のようだ。アイドルは女の立場で見てもつまんないし、演る側で想像しても自分はアイドルに100%不向きだって分かっている。 『君と毎日一緒に居られるこのなにげない時間がかけがえのない幸せだって教えてもらったよ』みたいな歌は思いつきもしないし、こんな歌ばかり歌って何がしたいんだろう、とこっちが悩む。 『僕は君をずっと待っていた。生まれ変わっても君を絶対見つけて愛するよ』みたいな歌のどこがロックなんだろうと真面目に考えてしまう。 ロックって なによ?エレキギター握って青臭いこと歌えば、曲調が爽やかでもロックなの?
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