第3章 プロの仕事

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「おまえが言ったんだぞ!バッカスの世話係にこの子雇えって。そんでうまくすりゃ新メンバーにしちまえって社長に力説して!」 トランク引いてやってきた 家出少年の如き僕を横目に。 昨夜のマネージャーさんが 目を吊り上げて怒鳴る。 「覚えてねー」 しかし悠月さんは 綿を抜かれた人形みたいに だらしなくテーブルに突っ伏したまま そう繰り返すばかり。 「だと思ったよ」 リーダーの森さんが 遅い朝ごはんか 器用にオムレツを焼きながら笑う。
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