Dissonance

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 レティは手を振り、大袈裟にため息をついた。 「何考えてんだか……今日で何日目だっつーの。これならライザック団長の方がまだマシ……」  言いかけてレティは言葉を切った。慌ててアーロンの表情を確認するが、いつもとさしてかわらない無表情。だがその分余計なことを言わなければよかったという後悔が増す。 「あー……取り合えず城に戻るか。今回の報告書は俺が纏めておく」 「そうか、分かった」  レティは団員たちに合図を出す。一斉に馬が城への道をかけ上る。  城に着いたレティは、冷える白亜の廊下に佇む「彼女」の存在に気付いた。 「ほら、愛しの彼女が待ってるぜ。お前の帰りを待っててくれていたんだろう。積もる話もあるだろうから、俺は先に行くよ。時間までには合流な」  先程の失言もあってか、レティはアーロンの返事も聞かずに逃げるように行ってしまった。  アーロンは「彼女」に向き直る。  「彼女」は笑みを浮かべたまま、ドレスの裾が舞うのも気にせず、アーロンの胸に飛び込んだ。 「おかえりなさい、アーロン」 「……ただいま戻りました、姫様」
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