第1章

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  「屯田林くんってさ、楓の外見的な部分が好きなの?」 「いや、そうじゃないよ。こんな見た目の俺でも、他の奴と同じように接してくれるから好きになったんだ」 「そうでしょ。だったら、そんな事で卑屈になってちゃダメだよ」 「でもさ……」 「楓が外見とか、周りの人の評価で人を判断しない娘だって分かってるでしょ。カラオケに一緒に行かないのは、何か別の理由があるんだよ」 「別の何かって?」 「さぁ、そこまでは私にも分からないけど。私も聞いてみるけど、屯田林くんもそれを聞いてみる事から始めたら?」  私たちが聞いて、その理由を敢えてが語るかは分からない。  簡単に答えるかもしれないし、もう二度と屯田林くんとは遊ばないかもしれない。  でも楓は、屯田林くんの事が嫌いになんてなっていないと思う。本当にそうなら、きっと私に何か言ってくる筈だから。  屯田林くんには頑張って欲しい。
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