第1章

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   大学入学直後って、つまり元カノの二股とかを知った頃。  勇人は、元カノの裏切りを知ってから、そういうのに敏感になったのかもしれない。  私は、何も裏切って無いけど。  ようは、別れの予感というか、そんなのにも敏感なんだ。送られてくるメールから、そんな様子は感じ取ってたし。  メールの頻度や内容とかで。  男女の別れ際、男の方が未練がましいなんて話しがある。だけどそれは、人によると思った。  一矢は、少しも未練なんか無かった。逆に勇人は、そうなりそうな気配が今から感じられる。  このまま別れちゃったとして、勇人はどうなっちゃうんだろう。別れたく無いと泣き付かれるのかな。  そんな状況を想像するだけで、気持ちが滅入ってしまう。  結局、屯田林くんには詳しい事は話さず、楓との事を頑張ってと言って解散した。  そして私は、あの場所へ無意識に向かっていた。      
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