第1章

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  「だからちゃんと話し合って、お互いの為にいい関係になれたらと思わないか」 「話し合うって、何を?」 「だから、俺たちが付き合う上でのルールとか」 「そんなルールを決めて、本当に守って行けるの?」 「守れるよ。それで、若葉と付き合っていけるなら」 「じゃあ、私が服装に口出ししないでってルールを作ったら守れる? 今日だって、お店に入る前に私の服装見て表情が強張ったよ」 「いや、それは……」 「ルールを決めたとして、日にちが経てば我慢できなくなるんじゃないの」  勇人は、反論してこなかった。  私の言った事に、思い当たる部分があるんだろうな。  勇人は、それで何杯かビールを一気飲みし、私に言い負けないよう酔っ払うつもりのよう。  そして勇人は、堰を切ったように私に語りかける。  だけど、その言葉のどれもが、「俺が」とか、「俺は」とかが枕詞の自己中な発言ばかり。
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