第1章

19/40
前へ
/40ページ
次へ
   私の事を思いやる内容は、一つとして無かったりした。  しかも、追い詰められて幼児返りして、口調が幼くなってるし。 「だから、俺がさ……」  また、「俺が」って。  この人は、本当に私の事が好きなんだろうか。そうじゃない私が、こんな風な考え方をするのも何だけど、私の事が好きで付き合ってるんじゃなくて、自分の為に付き合ってるように聞こえてくる。  だったら、誰だって良いんじゃないの。  告白の前の時、お試しでとか試用期間でみたいな話があった。岡田さんは、リハビリのような感じでと言ってたし。  そのつもりだったか知らないけど、結局私たちの関係ってその域を出なかったんじゃないのかな。  そこで、私はある事を考えていた。  恋愛の始まりは、お互いがお互いを百パーセント好きで、付き合い出すとは限らない。  もしそうして付き合えたなら、こんなに考えたり悩んだりしないかも。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加