9人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、勇人は私を束縛した。
私は、別の人を思いながら勇人と付き合った。
そんなんで、上手く行く筈が無い。
「ねぇ、勇人。やっぱり私たち、終わりにした方がいいんだよ」
「何でだよ」
「だって、このまま続けてたって良い方には進まないもん」
「そんな事は無い。絶対に、そんな事は無いんだ」
「ちょっと、声が大きいって」
「だって、若葉ぁ……」
勇人は、精神的に追い詰められると幼児返りしてしまう。それは分かってたけど、思わず追い詰めちゃってた。
周りの目が私たちに集中し、店員さんからも注意されてしまう。
それでも勇人は、大声を張り上げる。
「嫌だ、嫌だ、絶対に別れない」
そこまでになって、勇人と顔見知りの店員さんが飛んできて、彼を抱えてお店の奥へと連れて行った。普段、暴れるお客さんとは違う対応っぽい。
だって勇人は、ある意味で身内な訳だし。
最初のコメントを投稿しよう!