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それから数分して、勇人を連れ去った店員さんがやってくる。
この人が、店長だった。
「あいつの事は、こちらで何とかしますので。今日のところは」
「あ、はい。じゃあ、お会計を」
「それも、あいつと私たちで」
「でも……」
「当店でも、あいつの様子がおかしいのは伝わっていました。こうなる前に、止められなかった責任もありますし」
「そんなことを言われると、余計に気にしちゃいますけど」
「気にしないで下さい。お客さまも、あいつのせいで恥ずかしい思いもしたのですから」
「は、はぁ……」
結局、店長に押し切られる形で私はお店を出た。何だか、すっきりしない気持ち悪さが残る。
駅前まで歩きながら少し考える。
勇人は、あの居酒屋の他のお店でバイトしている。あのお店の店長とは、顔見知りだった筈。
それにしては、勇人が騒いだ時の対応が遅かったような気がする。
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