第1章

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   プロポーズは、大袈裟だよね。  でも、そういうのってちょっと憧れる。テレビ番組なんかで、そうしたのが成功したのを見たりすると余計に。  だけど何事も、台本通りに行くとは限らない。  そもそも、サプライズがあったかどうかも分からないんだし。サプライズはともかく、何かの打ち合わせはあったと思ってる。  それきっと、勇人の自己中な考えで仕掛けようとしてた事。  私が、関係の修復を受け入れる前提で考えただろうから、そんなものが成功する筈も無い。  それに付き合わされた、お店の人が可哀想に思える。 「絶対成功するから、大船に乗ったつもりでいて下さい」  勇人は、そんな事を言ったかもしれない。  本当は、泥舟なのに……  それが分かってて乗ったのか、分からないで乗ったのか。  どちらにしても、不幸な話しだと思う。 「全部が、私の考え通りならだけどね」
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