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そんな独り言が思わず出ちゃった時には、駅前まで来ちゃってた。
梅雨入り前。
だけど、梅雨入りを思わせるような、冷たい雨が降り始める。その雨が、落ち込んだ気持ちを更に貶める。
酔っ払いのおじさんが、何か叫んで天を仰ぐ。
「あの人も、何かあったのかな」
普段なら、そんな酔っ払いを軽蔑しそうだけど、今の私はその気持ちが分かる気がする。
私だって、何なら叫びたいくらい。
さっきまで、色々と考えててたのだって、勇人との事を考えないでいる為。考えちゃうと、気持ちが塞ぎ込みそうだから。
雨は、そこまで強くない。
急いで帰れば、濡れないで済みそう。だけど、真っ直ぐに帰りたくない気分。
「でもなぁ、マスターのところは行けないよねぇ」
今の精神状態で行ったりしたら、それでマスターを前にしちゃったら。
ヤケ酒した上に、言っちゃいけない事を言いそう。
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